うにたべたい

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のうにたべたいのレビュー・感想・評価

4.3
平成ガメラ三部作の3作目。
見たのは一週間近く前なのですが、強烈なインパクトが離れない映画です。
割と平成の怪獣映画では最高峰ではないかしらと思います。
ゴジラのオルガ戦とか機龍とか、単純に面白かった映画は多々ありますが、多分、怪獣映画に求める面白さがあって、そういう意味で本作は非常に満たされた作品だったように思えます。

主人公は過去にガメラとギャオスの戦いによるビルの倒壊で両親を失った少女で、ガメラを憎んでいるという設定です。
この少女が引き取られた先の奈良の山奥で怪獣の雛に出会いそれを育てるんです。憎きガメラを倒すために、愛情を込めて、異形の生命体イリスを。
怪獣同士の戦闘で倒壊する建物の住民なんて、ある意味で怪獣モノではアンタッチャブルな存在じゃないですか、ビルなんていう怪獣の大きさを測るモノサシ程度のものを、"壊してしまった"がために起きる物語が本作です。

正義のガメラは「正義」なのか?という場面が、序盤から突き付けられるように流れます。
渋谷の繁華街でガメラとギャオスの戦いが唐突に始まるシーンからスタートするのですが、明日を信じて疑わない、今、死ぬなんて思っていない人々が怪獣同士の戦いに巻き込まれて、無残にガメラの炎に焼かれる。
生き残った子供が泣きながら「ガメラは守ってくれたよ」と母親に訴えるシーンは心に響くものがありました。

平成ガメラの過去作を踏襲した話なので、過去2作を視聴後に見るのがオススメです。
過去作に登場した主要キャラが立場を替えて登場するので、視聴時、懐かしさのようなものを感じました。
不満点を言うなら謎のプログラマーとイリスの巫女になりたがってる人のコンビがちょくちょく横から出て謎の行動をするのですが、この2人だけ、物語に無理やり絡んでくる感じがして、進行上必要だったのかなと思いました。
あと、平成怪獣の宿命か、イリスのデザインは複雑過ぎて好きくないです。
ギロンのソフビは10体欲しいけど、イリスのソフビは余り欲しいと思えないですね。

ただ、特撮、特に巨大な怪獣が戦っているという臨場感、怪獣と人の対比が非常に上手いと感じました。
怪獣映画好きな諸兄は既に観ているでしょうけど、怪獣映画好きにおすすめです。