方眼

スティングの方眼のレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
5.0
1973年”The Sting”。緻密なプロット、論理的な構成の脚本(デヴィッド・S・ウォード)と、スター配役を目の前にして、監督は1930年代のトーンで作品を統一することを目論む。セット美術、衣装(イーディス・ヘッド=Mr.インクレディブルのモード)は当然。編集にもワイプ。音楽はスコット・ジョプリンのラグタイムを要所で使う。幕間のイラスト、レッドフォードの衣装替え、パントマイムのような夜更けの訪問前。今の映画だと、既存曲以外もそれっぽくスコア書かせるがそれは無く、効果音で心理描写する。電車の音、通り過ぎる信号、メリーゴーランド。ゴンドルフが決意するとメリーゴーランドが動き出す。刑事スナイダーの歩きにキュッキュッとコミカルな音を合わせているのは、フッカーとの無声映画のような追っかけで、ピエロ感を出すためか。脇役も多いが見せるエピソードがくっきりしてわかり易い。ゴンドルフ(ニューマン)とロネガン(ショー)は緊張感あふれる対決。あえて何回も名前を間違えるゴンドルフ。勝ったときほんの少しだけニャリとするロネガン。ラストのニューマンの顔。なぜやるかに対するゴンドルフの答えは、挑戦だから。
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