ぐるぐるシュルツ

ヴァージン・スーサイズのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
3.7
女の子の、
秘密を教えて。
いなくなってしまう前に。

〜〜〜

『ブリングリング』に続き、
2作連続ソフィア・コッポラ鑑賞。

タイトル通り、
五姉妹が不可解に自殺するまでの物語。
思いのほか、学園ものの雰囲気もあって驚く(ダンスシーンとか、これがまたたまらない)。

なかなかよくわからん作品だと言われがちだけど、
いやいや、
男から見た女子って、
こんな感じのところ結構ある、ほんと。

そういう意味では、
10代女子特有の
倦怠感と不思議、
気まぐれに見せる素直さが、
作品ごと丸々描かれてるよう。

そして、まぁ、なんと、
このカルチャー・ど真ん中な感じ。
暖色と寒色が可愛い色味といい、
音楽への愛といい、
並ぶ姉妹の構図といい、
ドバーッとセンスの垂れ流し。
もうこれは、そのまま浴びればいい。

彼女らが持つ「処女性」の比喩のように、
庭にある穴の塞がれた木。
外部との接触や繋がりを閉ざされたことで、
秘密は膨らむ。
でも本当はただただ恋のしたい女の子たちなのかもしれない。
ラックスのはにかみ方はズルい。

終始、男子の目線で語られるのも、
所詮私たちは「そっち」側なのだと思わせてくる。
みんなわからずじまいで、
ずっと引きずり続けるんだよ。

でも、
学校一イケメンのトリップが最後に見せる残酷さと気の変わり方には、
少し納得いってしまうから
また面白い。
個人的にジョシュ・ハートネットの格好良さはツボ。

それにしても、
セシリアとラックスだけは
家の外に出る直前の姿で死んでいるんですよね。
「内と外」そのギリギリのところで、
ティーンエイジャーの少女たちは
逡巡して悩んでいるのかもしれない。

姉妹が階段から降りてくるところ、
ダンスシーン、
レコードでの会話は、
間違いなく名場面。