3104

嘘の3104のレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.5
10〜30代の女の嘘をそれぞれ増村保造、吉村公三郎、衣笠貞之助が描くオムニバス。

第1話『プレイガール』
小気味よく進むが増村作品としては特筆すべきものはなし。滝瑛子より江波杏子のほうがスタイルもよく魅力的。夜とライトの絵面良し。

第2話『社用2号』
叶順子のコメディエンヌぶりが拝めるとはなんと珍しい。不機嫌そうに見える表情に気が強い役がいつも似合ってはいるが、こういう彼女ももっと見たかった(・・が結局この年に引退)。いつも通り?の川崎敬三や山茶花究、益田喜頓の「あきれたぼういずリユニオン」も見どころ。

第3話『女体』
全体的にぬめーっとした手触りの不条理劇。
乙羽信子のやつれた感じと森光子の余裕のない感じがいかにも。予告編では三大女優の共演といっていたが残り一人は・・あぁ中田康子か。三者の渦の中心にいる船越英二の佇まい、いつもの敬語混じりのねばつき気味の話し方がここでは殊更、物語にマッチしている。


それぞれのアプローチで面白くはあったが、同じ大映のオムニバス『女経』(60)には1編1編の出来としても総合点としても残念ながら及ばず。
3104

3104