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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃のtakのレビュー・感想・評価

3.5
前作公開から待ちに待ったEP2。このシリーズと共に育った男のコとしては興奮せずにはいられない。初日に劇場へ。

EP2は、シリーズ屈指の見せ場だらけの大娯楽作となっていた。前作以上のバトル・ドロイドの群れ、あまたのライトセーバーがうなりをあげる大チャンバラ。クローン兵士の群れ、「フィフス・エレメント」をしのぐ過密な都市交通の描写、そしてアナキンとパドメのロマンス。映像は豪華絢爛だった。でも、この映画を一言で語れ、と言われれば「ジョージ・ルーカス、技術に溺れるの巻」。

フルデジタルの製作プロセスでできあがった本作。”世界初のフルデジタル”と「仮面ライダーアギト ProjectG4」もそう名乗っているみたいだが、どっちがホント?日本が出し抜いたのかな?そうだとしても、ここには「スターウォーズ」シリーズでしかなし得ないスペース・オペラな世界がある。それは他の追随を許さないものだ。

しかしながら、何よりもこの映画に欠落しているものは”情”だ。EP5「帝国の逆襲」のレイアとハン・ソロのロマンスの方が、アナキンとパドメよりも場面の時間的には短かったのに、強く印象に残るのは何故だろう。月並みな台詞(戸田奈津子センセイの訳のせいでは決してない)ばっかりを、アナキンが一方的にしゃべられてもねぇ。禁断の恋への葛藤は伝わってこない。アナキンが憎しみの感情に陥るあたりは見事だったけど。とにかくストーリーを精一杯こなしている印象だけが残った。厳しいかもしれないけど、やはりルーカスはプロデューサー向きなのかも。脚本や監督をEP5「帝国の逆襲」やEP6「ジェダイの帰還」のように他人に任せるのもよかったのかな。

それでも、第1作から観続けているSWファンには、EP2は興奮せずにはいられない挿話にあふれている。少年時代のボバ・フェット、R2-D2とC3-POの凸凹コンビがここでそろうこと、マスター・ヨーダの見事なセーバーさばき、デス・スターの設計図、懐かしいタトウィーン星の風景。旧三部作から観ていれば感動ひとしお(昭和SWファンの私見です)。オビ・ワンが聞き込みに行くダイナー風の店。あれに「アメリカン・グラフィティ」(ルーカスの出世作)を連想しません?。そしてジョン・ウィリアムズの音楽!。20世紀FOXマーチの後、あのブラスの四分音符一発がタイトルと共に流れる瞬間の快感。ラストシーンで高らかに流れる帝国のテーマ曲は次作への暗示。
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