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鬼神伝のbluetokyoのレビュー・感想・評価

鬼神伝(2010年製作の映画)
1.5
製作過程で誰か忠告しなかったのだろうか。これは作品として、非常にまずい部類だ。
表現者としての見る者に対する裏切り、愚弄、と取られても仕方がない。

簡単にあらすじ。
平安時代? 鬼ような化け物が襲ってくる。懸命に戦う武士(平安時代なのでまだ武士はいないが)、さらに、一人の僧侶。かろうじて撃退するも、これはやばくなってきた、という危機感。
一転して現代。主人公の中学生、天童純。帰宅途中、化け物に襲われる。懸命に逃げると、寺があって、そこに逃げ込む。なかに、一人の僧侶、源雲がいる(冒頭に登場した僧侶)。源雲に案内されて奥に入ると、なぜか、平安時代の平安京?に来ていた。
で、平安京が鬼のような化け物の攻撃にさらされている、なんとか、助けてくれ、ということだった。
さらに、源頼光という武士を紹介された。
あたかも、鬼のような化け物の攻撃が始まった。源頼光、源雲は出動する。天童純も行ってみる。
源頼光が蜘蛛のような化け物に襲われ、殺されかかっているのを見て、天童純は思わず念ずると、竜のようなもの(オロチ)が登場し、化け物たちは退散していった。
オロチの背中に乗った天童純、ある村に着地する。するとまだ残っていた鬼が襲い掛かってくるが、武士がいて、矢を放った。矢が当たると鬼の面が取れて、女の子になった。
オロチにこの女の子を助けて欲しいというと、女の子と天童純を乗せて、オロチは飛び立ち、ある村に着いた。そこは女の子の住んでいる村だった。村人は鬼の面を被ると鬼になるらしい。
もともと、この村人が原住民で、平安京の土地も村人のものだったが奪われてしまった。だから攻撃しているらしい。
天童純は、なんとか、源雲を説得するが、戦いは止みそうもない。
ついに、源雲は総攻撃してくる。
天童純とオロチは、鬼側に味方して戦う。源雲を倒した。めでたしめでたし、終わりである。

源雲は、いつ、キャラ変して、悪の親玉になったんだよ。麻呂が巻物を見たいなのを持ってきて、源雲、きさまあ、みたいなシーンはあるが、付け足したのだろう。そのあと、麻呂は源雲に消されたみたい。
そもそも、敵になるのに、なんで、現代から天童純を連れてきたのだろう。それよりも、天童純+オロチ+鬼でも、源雲はそれなりに、戦っている。ということは、オロチを味方にしなくても、十分に鬼を滅ぼすことができたはずだ。
伏線を張って、それを回収して、なんてことすらしていない。まあ、簡単にキャラ変させちゃうぐらいだから、考えることもしなかったのだろう。
宮崎駿さんのマネをして、ストーリーを決めないで、スタートしたのかも。途中で収拾がつかなくなって、源雲を悪玉にして、やっつける話にしよう、と思い付いたのに違いない。

冒頭の部分、鬼と戦うシーンがもののけ姫みたいでよかったのと、平安京の町並みがよかった、点はそれだけである。あとはひどい。
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