回想シーンでご飯3杯いける

JUNO/ジュノの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)
3.9
現在はエリオット・ペイジと改名して活動しているエレン・ペイジが、妊娠してしまう女子高生を演じた出世作。とても有名な作品であるし、アカデミー賞の脚本賞も獲得している。

海外の映画では主人公の名前をそのままタイトルにしている作品が多いけど、本作もその例に漏れず、彼女の名前「JUNO」がそのままタイトルになっている。わずか15年前の映画だけど、この時代は邦題もそのままだったのだと気付く。今だと「16歳の母」とか副題が付いてしまうのではないだろうか。

そのドライなタイトルが表している通り、女子高生の妊娠から始まるストーリーながら、脚本は意外と明るくコミカル。特に友人や両親の反応が驚くほど軽いのだが、これは本作がティーンに発するメッセージとしてとても重要な部分に思える。いきなり責任や経済的な問題を前面に出すと、性教育的にはむしろマイナス。避妊は大事だが、いざ悩んだ時は周囲に助けを求める事。それをさりげなく表していて、とても好感を持てる。

とは言っても、終始軽い話かというと、決してそうではなく、妊娠後に関わる事になる周囲の大人の様子をシリアスに描く事で、家族の問題としての妊娠を描き、主人公の成長物語としてしっかり帰結させている。