くろねこヤマ子

ひなぎくのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

ひなぎく(1966年製作の映画)
4.0
可愛いは正義。
可愛いという皮を
上手く被った社会派作品。

全編に渡ってケラケラと
チャーミングに
仕上げてあるけれど、
その実は
チェコ政治に対しての
素晴らしきかなアンチテーゼ。

ちらりちらりと哀愁も見える。

映像としても実験的なものが多くて、
何度見てもイイなぁイケてるなぁ
なんて思ってしまう。

お行儀の悪いお嬢さんたちに
不思議と不快感を感じないのは、
ヴェラ・ヒティロヴァ監督が
女性監督で、
女の子の魅せ方を
よーく分かっているからなのかも。

以下、自分のためのメモ。



2人の女の子。
2人はこの世の無用の長物で
余計ものである。
そのことを2人は良く分かっている。
役に立たない無力な少女達。
だからこそ彼女達は笑う。
おしゃれする、お化粧する、
男達をだます、走る、ダンスする。
遊ぶことだけが彼女達にできること。
愉快なばか騒ぎと
絶対に本当のことを言わないこと。
それが彼女達の戦闘手段。
奴らを「ぎゃふん」と言わせるための。
死ネ死ネ死ネ死ネ!分かってるよ。
私達だって「生きて」いるのよ

(岡崎京子)