三畳

仕立て屋の恋の三畳のレビュー・感想・評価

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)
4.1
たまらん甘美な映像。デジタルリマスターだから??すべての色がほんときれい。家具や調度品や細々したおフランスアイテムが女心をくすぐる。

自分が思う、"「恋」という言葉を辞書で引いたら載っててほしい映画"の一本となった。
ジト静けさ。
勝手に突っ走る。
無表情なのに、自己犠牲に昂ぶってるのが分かってしまうから不思議。
好きな人の好きな人(=恋敵)の中身のない描かれ方。
報われなさ。
「死ぬほどせつない」のストレートな重み。
終盤の悪あがきで映画のトーンが一気に変わるのも恋っぽい。
刑事への手紙は、代わりに破いてあげたくなった。滑稽さを感じたよ。

スケートで転んだ時の人だかりや、屋上を見上げる群衆があっという間に集まるとこなど、不自然なほどの注目されようは、恋愛中の人目を気にする自意識過剰さを暗に表現してるのかな。実際そんなに誰も見てないのに。それよりまずはカーテン引いて覗いたら?言わずもがなアリス、あなたもですよ。

以上のように、仕立て屋は紳士でありながら、童貞感もぷんぷんで良かった。
アリスはファッショナブルに原色を着こなしてる。

しかし一番の犠牲は罪のないネズミさんたち…
三畳

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