シズヲ

兵隊やくざのシズヲのレビュー・感想・評価

兵隊やくざ(1965年製作の映画)
4.0
理不尽で息苦しい軍隊の中でカツシンこと大宮が泥臭く大暴れする映画。話はなかなかに無茶苦茶なんだけど、それと同時に部隊内での生活が圧倒的な陰湿さによって生々しく描かれている。それだけに大宮と有田の活躍がとことん痛快だし、リアリティーと娯楽性のバランスが秀逸。主役二人の絶妙な関係にはもはや愛すら感じてしまうのがなんだかスゴい。

豪放磊落で愛嬌すら感じる大宮のキャラクターが印象的。話は暴力の連続(たまにやりすぎなくらい凄まじい)なんだけど、大宮の暴力は理不尽な上司への反抗だったり仲間のための義侠心だったりと毎度動機が男らしい。豪快で破天荒な大宮のやり方には不思議と笑ってしまう。相方となる有田上等兵も実に良いキャラ。満期除隊を待ち侘びてるというある種の平穏主義者だけど、そんな彼が大宮を的確に支えて友情を育んでいく様にグッと来る。
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