ガブXスカイウォーカー

シルクハットの大親分のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

シルクハットの大親分(1970年製作の映画)
3.7
開始早々、シルクハットをかぶったまま風呂に入っている熊虎親分(若山富三郎)。まさにつかみはOK!(笑)
熊虎親分は豪快で下品、そして熱血漢。行く先々で騒動を起こして笑わせてくれる。悪党、熊本鎮台一家総長の歓迎会をケンカしてぶち壊すわ、娼婦たちを歳の順に並べて裾をめくらせて品定めするわなどやりたい放題だ。鈴木則文監督らしい下ネタドタバタギャグ大連発である(後の『まむしの兄弟』、『トラック野郎』の原型と言えよう)。
でも熊虎親分はじつは正義感が強く、面倒見はいいので、多くの仲間や子分たちが彼を慕い、支える。クライマックスでは熊虎親分が熊本鎮台一家を倒して、どれだけメチャクチャやろうと筋を通すことの大切さを僕たちに教えてくれる。今作は『緋牡丹博徒』シリーズからのスピンオフだが、これだけ観ても充分楽しめる任侠コメディの怪作なのだ。