gyaoで視聴。湯浅政明監督の初長編。
初恋の幼なじみ、みょんちゃんに再会した西。彼女が姉のヤンと営んでいる焼き鳥屋に招待されたまではよかったが、借金の取り立てにきたヤクザにあっけなく殺されてしまう。しかし、将来に未練たっぷりの西は、神様に逆らって再び現世に舞い戻る。
とことんやると神様に誓った西は、ヤクザに追われて危機一髪のところで、今度はクジラに呑み込まれてしまう。そこで出会ったじーさんはなんと、クジラの中で30年以上も暮らしていたのだった。
カオスな前衛映画、アニメ映画のひとつの極北だった。ときおり挟み込まれる実写（ロトスコ）だけでなく、カラフルで不条理な背景。
ストーリーもやくざに撃ち殺されたり、やくざとカーチェイスしたり、クジラに飲み込まれたり、クジラから脱出して時空を乗り越えたりと怒涛の展開で目まぐるしく、まるでLSDをキメて見た悪夢のようなサイケ感。
ただし、お話は「怒涛の展開」に妙が置かれているため脈絡というか表面的で深い味わいには乏しく、これが脚本の弱さとして出てしまったのが残念か。
しかし、この「アニメの極北」は一度体験してみる価値のある作品である。
