三畳

MIND GAME マインド・ゲームの三畳のレビュー・感想・評価

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)
4.4
私は「四畳半神話大系」の湯浅政明がクレヨンしんちゃんを作っていた人だとは全然知らなかったんです。
それを知ったあとで見てみると、すごい!めっちゃ「クレヨンしんちゃん」じゃん!と感動!どこまで彼による領域かはわからないけど、四肢の先端が絞られて動きを大きく見せるカートゥン的キャラクターとかコントラスト強い色使いとか極端なパースとか躍動感スピード感、全部…!

マインド・ゲームはこのことを知る前から機会があったら見てみたいと思っていた!
そしたらイメージと全然違った!笑
このビジュアルからてっきり「コングレス未来学会議」的な仮想空間的な題材かと思っていた!しかも早稲田松竹「エブエブ」と二本立てだったから。
べつにゲームでもないんだ!

これ系の絵があんまり好きじゃないかも…!(それで鉄コン筋クリートも興味はあるけど未見なんです)

一番よかったのはいきなり配色がバグってサイケになるセックスの比喩シーン。(その少し前の、4人で竹で縄跳びする遊び?のシーンからこれはもしかしてやってるのか?と深読みしてごめんなさい)

アニメならではのぶち抜けた表現!
「夜は短し歩けよ乙女」でもカウボーイが暴走するシーンがあったと思うけど、何も直接的な絵がなくてもいかがわしさがわかるってすごいよね!

状況的には無人島のような、外部の刺激も進展も何もないはずのところにずっといるのに、アニメは意味不明な生命力に溢れていて、ストーリーに似つかわしくなく、理由を求めるなら4人が気が狂ってたとしか言えない。

ジャンプしてカラフルな体の魚拓を取ったり見たことない人間の行動をたくさん見た。そのままのテンションで、クライマックスの脱出シーンまでいくから、正直息切れした。
もうすごいのはわかりましたから…!となった。

いやでも本当に全部すごいとしか言いようがなくて、笑
人生を取り戻すための強い意志、自分から振り絞る・湧き出す力で言えば、「ゼログラビティ」のあの重みが霞むレベル。
どれだけ設定が荒唐無稽でもアニメの力だけでねじ伏せて人生賛歌を訴えてくる。

このパワーが日常の心の動きを描くのに使われていたら、私はもっと感動したかも?だから、それが後の四畳半シリーズなわけか、と納得した!
三畳

三畳