チョマサ

MIND GAME マインド・ゲームのチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

35mmフィルム上映をやってたので観てきた。ライムスター宇多丸さんがタマフルでお薦めしてて、気になってた作品。はじめて知ってから数年たってやっと見る。湯浅監督の監督デビュー作。

見た目は狂っているように見えるけど、物語は人間くさい再起ドラマ。
人生失敗したやつらが鯨の中/どん底におちてリハビリ、一念発起して人生をやり直そうとする。その映像と物語のギャップに見ていて侘びしくなった。どいつもこいつも、何かしら失敗していて、何かのきっかけでやりたいことを実行する様子が、すごく胸に来るのだった。画面がサイケでポップで無茶苦茶になるほど、それを感じる。

冒頭の、登場人物の人生のこま切れのモンタージュを、すべて映画のなかで詳細をみせていくのがうまかった。どの人物にも人生があり、その一部を描くだけでもおもしろいんだよな。引かれて死んだ組員が飼ってた小鳥を思いだし、走馬灯なのを見せる場面。理屈は分からないけど、なんでもない背景人物のことが少しわかるだけでも面白く感じた。組長の島木譲二が出てくると、そういやこないだ亡くなったのを思いだした。

他にも、つげ義春みたいに顔が実写になったり、基本の明度を暗くすることで、人生不調な様子とクライマックスの盛り上がりを演出していて、それもおもしろい。
海外コーディネーターだったかな?スタッフにマイケル・アリアスがいて、このころから4℃と関わってたんだな。あとは渡辺信一郎や菅野よう子、森本晃司がいたりと、意外なところで有名な人が関わってた。

湯浅監督の関わった作品だと、聞くところによると『ケモノヅメ』や『ねこぢる草』とかのダークよりの作品になるんだろうか。ロビン西の原作付きだから、ダークさは監督の持ち味なのか不明だけども。
おもしろい映画だったから、いっしょにやってた『夜は短し歩けよ乙女』と『夜明け告げるルーのうた』も観とけばよかったな。

みょんが巨乳でやたらエロい。でもこの絵でもエロく思えると、エロって結局はなんなんだろうな。お姉ちゃんのはっちゃけ具合がすごく危なくて頭に残ってる。
チョマサ

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