みかんぼうや

ゴーストライターのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

ゴーストライター(2010年製作の映画)
3.7
安定のロマン・ポランスキーじるし、とうべき良質サスペンス。一個人の不審死から、事件の真相とともに国家や政治絡みへ話が広がる展開がなんとも面白い。

物語は、元英国首相アダム・ラングが自叙伝を発刊するにあたり、元秘書官でゴーストライターだった男が不審死をとげるところから始まる。その後釜として自叙伝を書くことになったゴーストライター(ユアン・マクレガー)が、ラングの邸宅でラングやその妻、秘書などと出会い、執筆に取り組むなかで、その不審死への違和感を感じ始める・・・という王道設定なサスペンス。

序盤から怪しい登場人物たちのオンパレードなので、事件に関わる犯人捜しは比較的容易に想像がつくものの、その死の背景がポランスキー作品らしく、ラストまで全く飽きることなく物語に惹きつけられました。終わってみれば思ったほどの驚きはなく、トリックを楽しむというよりは、事件の背景を楽しむサスペンスでしょうか。それでも、こういう陰謀論的な内容は、ポランスキーサスペンスの得意なところだと思いますし、個人的にも好きなジャンルで十二分に楽しめました。
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