シネフィルmonk

10ミニッツ・オールダー 人生のメビウスのシネフィルmonkのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ビクトル・エリセ、アキ・カウリスマキの久々の新作公開を機にDVDで鑑賞した。

上記2人に加え、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、ベルナルド・ベルトルッチ 、イジー・メンツェル 、フォルカー・シュレンドルフ 、ジャン=リュック・ゴダールら世界の名だたる巨匠たちが"時間"をテーマに10分間の制限の中で短編を製作、収録したオムニバス集。DVD2巻のうち、「人生のメビウス」(The Trumpet)と邦題が付されたほうに二人の作品は収載されている。

カウリスマキの短編は「結婚は10分で決める」。留置所から出たばかりの男がシベリア行きの汽車が出る時刻の10分間に結婚相手を探し、ともにモスクワへ向かうストーリー。

マルク・ペルトラ、カティ・オウティネンの常連俳優が出演、お馴染みのロックバンドの演奏もあって、ごく短時間に人生のリスタートの場面が詰まって良い感じ。

エリセのショートは「ライフライン」。産後のベッドで横たわる母親、新生児に迫る生命の危機をナチス・ドイツの台頭と家族の不安感の中で表現したモノクロ映像で、場面が次々切り替わり、緊迫感があります。


そのほかは、ヴェルナー・ヘルツォーク「失われた1万年」、ジム・ジャームッシュ「女優のブレイクタイム」、ヴィム・ヴェンダース「トローナからの12マイル」、スパイク・リー「ゴアVSブッシュ」、チェン・カイコー「夢幻百花」。

ヴェンダースのショートでは、猛スピードで突っ走る車の男が間違えてドラッグを口にしてしまい、生命の危機に陥るロード・ムービー。ほかの作品もそれぞれ個性がにじみ出ていて、味わいある短編集。
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