どーもキューブ

夜のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

(1961年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

ミケランジェロ、愛の夜



ミケランジェロアントニオーニ監督。

素晴らしく夜を切り取った映像。

一番乗れた。

妻ジャンヌモンローと作家のマルチェロマストロアンニ。

予期せぬ病院での出来事から、

二人うつろう愛の夜。

二人の見ている先はまるで違う。

素晴らしい二人の夜のパーティの時間軸。

なんと自然な時間が演出されているであろうか!

実に刻々と夜はフケ、二人はお互いを確認し、愛を探します。

そこで出合う独りの若い娘!

時にながれる音楽もグルーヴィ!

自然な時間演出と入れ替わるパーティ客

語られる二人の考えや視線の矛先に我々は流されます。

ラストはもしかすると誰でも経験しうる

特別な「夜」を越えた先に待つ

激しい愛の出発点なのかもしれません。

両者の気持ちの真意はわからないが!
 
2009年2月17日 レビュー

追記
アントニオーニ監督作品で1番心に響いた作品だった。

ベルリン映画祭金熊賞受賞だったんだ!

とにかく寂しさを良く描いてた。

ミケランジェロ作品に表現されるキーワード

人生の空虚さ
愛のむなしさ
男女のやるせなさ
孤独
人間同士のうめられない溝
不条理
絶望
浮気、よそ見、嫉妬
愛の不毛

まさしく
消極的否定的な心象風景を表現してきたアントニオーニ

ワーナー作品だった「欲望」と「砂丘」は、ひたすら鮮烈、シンボリックに描いた二作だった。予算拡大に表現。

本作の夫婦、モンローとマストロヤンニ、愛はラブラブなんてほど遠く、冷たい冷水をぶっかけあう関係。

冷え切りながら2人は、「夜」をさまよう。

初見時のラストシーンに涙ぐんだのを覚えている。

2人の夜のひとりぼっちの風景と孤独な表情をきりとります。

もっと愛し愛されるようなラブラブすればいいじゃん!

とみながら思うわけだが、そんなことは、すでにむしゃぶり、捨て去り、なれのはてなふたり。
 
そんな幸せめいたシーンやラブラブな映画を望むのは、やめてください。

ふたりの大人なラブには、

言葉も少なく省略
魅せる捨てるような風景
白と黒のシャシン
音楽皆無
台詞すくない
寒々しいよる

倦怠する男女に
ラブを冷えつくした人間たちの代弁者のようなアントニオーニ

本作の夜のふたりをみているとどこか我々の日々感じる さみしさ

のようなものの夜をアントニオーニが魅せる!

DVDほしいな!

追伸
ツァイミンリャンやデビットリンチとか絶対アントニオーニ好きだろうなあと勝手に思ってます。

つめたい、さみしい、埋めたい、ののしりたいを味わい尽くすからこそ

見える愛見えるミケランジェロの夜

個人的にアントニオーニベスト!です。
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