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ニーチェの馬のRocaのレビュー・感想・評価

ニーチェの馬(2011年製作の映画)
4.0
ニーチェの精神が崩壊する直前、激しく鞭打たれていた馬との逸話をモチーフにしているとのこと。
暴風が吹き荒れる地で暮らす男とその娘、飼っている馬の6日間をカメラは追っている。
娘が父親の着替えを助ける、井戸水を汲む、馬の世話をする、ジャガイモを食べる、寝るの繰り返しだ。
モノクロの映像は美しいが会話がほとんどなく、途中で何度も観るのを止めようと思った。最後まで観たのは、圧倒的な映像に惹かれたのと、前半、単調な中でも僅かに訪れる日常の変化が気になったからだ。後半は変化が早まり、一気に引き込まれる。風の音が小さくなる6日目。
人間とは。生きるとは。
現代を生きる我々があの場面にいたら、絶望して狂ってしまうのではないだろうか?生き抜く人々はどれだけいるのだろうか?と思いながら観た。
公開時から気になっていた作品。154分。
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