マーブル

英国王のスピーチのマーブルのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.8
レンタルで鑑賞。前向きになれる良い映画だなと思いました。私自身も緊張症のため、昔からスピーチや大勢の前でしゃべることについては、苦い経験を多く持ち合わせているので。なので、余計に他人事ではなく見入ってしまったのかもしれないです。

“王様だって人間だもの”。ジョージ6世は血筋から王様となっただけで、自分に自信が無い繊細な人。でも、真面目で責任感がある故に悩みます。その一方で、お兄さんは女性に走るという自由奔放さ。これがまたジョージにとってプレッシャーに。


ここに現れたのが、ローグ。彼がジョージにとって“サリバン先生”みたいな存在になるのです。ローグの吃音矯正トレーニングは、まさに「ベストキッド」みたいだなと思いました。それだけでなく、おそらくジョージにとって初めてであろう、“何でも話せる存在”になり、心も解きほぐしていくわけです。最初は、ローグのことを疑ったり、反発したりしつつも、心を通わせていく様子は見ていてほほえましかったなあ。

王様であろうが、一般人であろうがコンプレックスやトラウマを大小抱えています。それを克服することは、誰しもが難しくもがき苦しむもの。

この物語は、「王様」という特殊な立場が主人公だったけど1人の人間として、素晴らしい出会いによって、困難を乗り越え、一仕事を遂行した成長物語に思えました。


コリン・ファースの演技はもちろんだけど、私はジェフリー・ラッシュのドスっと構えつつも温かみのある演技にひかれましたね。

次は「鑑定士と顔のない依頼人」を見なければ。
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