パスポートや所持品を盗まれ、シャルル・ド・ゴール空港で、フランスに入国できずに空港内で足止めにされた主人公が、空港内に住んでいる人達と過ごす物語。
実際に、フランスのシャルル・ド・ゴール空港内で暮らしていた、イラン国籍の難民、マーハン・カリミ・ナセリをモデルにして創作されたストーリー。トム・ハンクス主演の「ターミナル」も、彼をモデルに創作された映画である。
主人公のアルチュロを演じるのは、ジャン・ロシュフォール。登場するなり、「髪結いの亭主だ」と思ってしまった。なんとも言えない味のある雰囲気を醸し出す俳優だ。
主人公が、空港内で、空港内に住む訳ありの人達と交流する様子が、なかなか良かった。中でも、黒人の少年との交流。彼は、あの後、どうなったのかな。パスポートなしで生きていけるのか気になるけれども、野暮なことを言っては、いけないのかも。ラストの、奥さんのオチが、良かった。
今作のことをWikiで見ていたら、「空港に居住した人物の一覧」という、実際に1週間以上、空港内に足止めされて住んでいた人の一覧があったのには、驚いた。日本人で、外国の空港に足止めになった人も、成田や羽田に足止めになっていた外国人も存在した。