Kuri

リトル・ダンサーのKuriのレビュー・感想・評価

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.2
"午前10時の映画館"で久しぶりに。

男の子がバレエを踊って可愛いねー、でも大人になったらゴツくてちょっとって感じのちょっとした小品という曖昧な記憶を恥じたい気分。
炭鉱閉鎖を基調に、家族愛とか師弟関係とか初恋とかジェンダーとか全部載せした一大エンターテインメント作品でした。ちゃんと踊りも上手くなってるし!

ジャズミュージシャン菊地さんの"セッション"評が頭にあったこともあって、
主人公が時折見せる見事なダンスはタップダンスであってバレエではないのでは?と疑問を薄くずっと感じてましたが

中盤以降、怒涛のエモーションでぐわっと押し倒して感動させる力業にやられてしまい、気がつけば涙が頬をつたうこと数回。
手ぬぐいが涙ですっかりぐちゃぐちゃです。

前回は主人公に感情移入してみていた気がするのですが、今回は完全に父親/兄からの目線。
自身の誇りを捨ててスト破りを行う父親の行動に熱くなり、ラストですっかりゴツくなった主人公にこんなに立派になって、と、また涙が。

ザ ジャム"悪意という名の街"で感情を爆発させるシーンが有名ですが、
映画で描かれる80年代中盤の英国北部に拡がる閉塞感を時折引き裂くようなステップに目を奪われます。
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