きねぼっち

ハズバンズのきねぼっちのネタバレレビュー・内容・結末

ハズバンズ(1970年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

なっが! きっつ!
いったいなんなんだ、これ・・・。

前時代的な体育会系のイキリおやじ三人組が、ヤンチャ行為で周囲に迷惑をかけまくる醜態を克明かつ冷徹に記録している作風で、とことんゲンナリ。

ひたすらめんどくさいオッサンの酔ったうえでの執拗なハラスメント行為が延々と映し出されており、その内容も、確かに50年くらい前だったら、あっただろうな~と思わせるリアリティがあってヤな感じ。
周囲が、まあ酔っ払いだから・・・と眉をひそめつつも大目に見るのも、すごくありがち。

一応、彼らの愚行には、家族ぐるみでつきあいのあった一緒にバカをやれるダチが早世した、というやるせない悲しみが隠されている。
また、その悲劇によって、自分たちがもう若くなく、以前のような輝かしい日々は永遠に戻ってこないのだという悲嘆もあって、バカ騒ぎも悲愴なレベルで暴走。

キャラ立ちは、多分リアルなんでしょうね。
おそらく全員大卒のサバービアで収入もいい。
それぞれに家族もちだが、うまくいっている者もいれば、家庭崩壊しているのもいる。

オッサンの生態がリアルな一方、ストーリーは割とぶっ飛んでて、家庭崩壊してる人が音頭を取っていきなり渡英など、いろいろあって残った三人も一人減り、結局二人だけになる。
二人はダチが減ったことに納得いかないが、どうすることもできない。
彼らにはまだ家族がおり、ダチとはいえ赤の他人にいつまでもかかずらっている余裕はない。
家に戻り、かといって優しく家族に迎え入れられるわけでもなく、荒涼とした感じで、映画はいきなりエンド。

うわぁ・・・本作は独自性や精緻な描写はすごいけど、さすがにこの長さはいらんよな。
この不快な内容は、90分くらいが限度でしょ。
1970年製作だから、昔の芸術観がもろだしになってて、現代には到底そぐわない時代遅れな作品だと勝手に断定!

つまり、面白いよりつまらないのが偉い、楽しいよりキツいのがすごい、作り物っぽいよりリアルなのが優れている、などの一歩間違えればサイコになってしまうアブないアーティスト的な発想、今となってはいらないな~!!!
きねぼっち

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