彦次郎

アイアンマンの彦次郎のレビュー・感想・評価

アイアンマン(2008年製作の映画)
3.8
軍事会社で大富豪の天才発明家トニー・スタークがアフガニスタンで拉致された事により正義に開眼するヒーロー物語のシリーズ1作目。
テロ組織からミサイルで撃たれて胸に心臓への破片を引き止める電磁石をネタに兵器を作るよう強要される大災難で普通なら作って御用済みというのがテンプレート。そんな状況から同じ捕虜で優秀なインセン博士がいたとはいえ熱プラズマ反応炉アーク・リアクター(よく分からんけどエネルギー発生源みたいなもの)を作りパワードスーツで自ら脱出するという天才さは主役に相応しいテンプレート破りです。
普通のヒーローは能力を授けられたとか偶然身についたとかのパターンですがトニーの場合明晰な頭脳で自ら構築していくところが斬新。超優秀なAIジャーヴィスを駆使して作業する姿にワクワクさせられます。
笑顔が可愛らしい秘書のペッパーさんが素敵ですが敵役もなかなか印象深いです。父親の盟友という触れ込みなのにジャケットからすぐさま悪党と分かる顔つき(坊主頭のオッサン)で謀略とパワードスーツを使い災厄をもたらす副社長ステインが話を盛り上げてくれたと思います。
ヒーローは正体を隠すのが一般的ですが堂々と「私がアイアンマンだ」と言ってのける豪胆かつ率直さが最高でした。
ここからはご存知の方には不要な情報。
今作はアメコミで有名なマーベル・コミックが原作で各主役の作品を同一の世界観でクロスオーバーさせようとする試み、いわゆるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズの第1作目。このMCUは時系列のまとまりをフェーズで区切っているようで今作はフェーズ1にあたります。恐らく今後も大量に作られるであろうシリーズの冒頭を飾るに記念碑的作品といえましょう。
余談ですがこの作品より前にジャケットが酷似している「メタルマン」なる作品を観ましたがあちらは完全にZ級アクションヒーローでお間違えの無いようにご注意ください。でもアイアンマンとメタルマンのコラボは見てみたいと思う自分もいます。絶対無いけど。
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