彦次郎

アレノの彦次郎のレビュー・感想・評価

アレノ(2015年製作の映画)
3.0
病弱な夫を不倫相手である幼馴染とともに湖で溺死させようとしボートが転覆、夫の遺体が見つからずホテルで待つ2人を描いた官能ドラマ。原案はフランスの作家エミール・ゾラの『テレーズ・ラカン』、監督は越川道夫。ちなみに登場人物の名前は不詳となっています。
元となった作品を知りませんが本作は基本的には不倫男女がひたすら性交し精神の不安定さが進行(元から安定はしていない)していくという救いのない話になっていました。
不倫相手の男は髭面で荒っぽいですがただの不倫ではなく幼馴染である夫を始末してまでも妻と一緒になろうとしているのですから方法はともかく純粋といえます。対する夫のほうは病弱な優男ですが男と妻の不倫を知っており亡霊(もしくは幻覚)となり2人付きまとうという死後に発動するスタンドか特級呪物みたいな存在と化しているのが特徴です。母親の方も息子に劣らず妻の手に噛みつく獣性を持つので元からそういう血統の方々なのかもしれません。
計画性があるようで無いような覚悟があるようで無いようなそんな中途半端な小事件ですが本格ミステリー以外では現実でも人間こんな感じなんだろうなぁと思わせられるリアリティはありました。
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