暴力と破滅の運び手

アイアンマンの暴力と破滅の運び手のレビュー・感想・評価

アイアンマン(2008年製作の映画)
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再見。中学ぶりとかかな。

絵に描いたようなアメリカ人社長トニー・スタークが兵器を売りにアフガンに行くと、現地の武装勢力が車を襲撃し、拉致拘束されたり脅迫されたりしているうちに自分の会社の製品を使っていることが判明する。ありものでパワードスーツを作り脱出すると、そこはもう絵に描いたようなアメリカ人なので人道主義に目覚めて兵器の販売を停止しようとするのだが、そこに会社を乗っ取ろうとする創設者(父)の旧友やら秘書とのロマンスが絡んでいく。

分かりやすさやカラッとした感じ、こまけえことはいいんだよ! 精神が前面に出ていて、「兵器を止めるための兵器」に自分がなってしまう、という所に関する悲壮感などは一切描かれず、社長は概ね(会社が心配になるくらいの)マッドな発明家として描かれている。アメリカンヒーローになる事を自然に引き受けるこのポジティブな感じが、MCUの第一弾というのを考えると、なんだか面白い。その前後って、DCも007(これはヒーローって括るのもアレかもしれないけど)も、主人公がとにかく悩む映画を作ってた印象なので。

改めて見ると、構図が単調でちょっと辟易したり、編集に難を感じたり。カットごとに画質が変わりまくり、そういうときはなんかこう、うまく言えないけど、すごく画面がチープな感じに……2007年ってそんなもの? メカの部分とかはすごかったけども……。
こういうつくりの映画ってライティング考えるの大変だなって思った。

それにしても社長の顔が強すぎる。3次元の人間なのにいつも目にハイライトが入る。