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シャーリー・チザムのkissenger800のレビュー・感想・評価

シャーリー・チザム(2024年製作の映画)
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選挙制とか1970年代の社会情勢とかアフリカ系のおかれた環境とか、理解の前段に必要な情報が多いので「ランス・レディック遺作のひとつ」「ルーカス・ヘッジズがまーた気弱なホワイトボーイ役で出てる」「監督YOUはちょっと日本語話せる」ぐらいでは引きが弱いわけですけれど、総合して悪い作品じゃない。
ただドラマの核になる「山」が低く見えちゃうんですよ、この物語の後年に世界が辿った場所が、主人公の到達点をベースキャンプに登ってきたようなものだから(=うまいこと言ったった感)。

- シドニー・ポワチエと事実婚の関係にあったダイアン・キャロルが数分だけ登場してまあまあ良い役を担うんですけど、ええと誰だっけ、テレンス・トレント・ダービーじゃなくて。って彼女をaunt Dと呼んでいた(血のつながりはたぶん無いんだけど「甥っ子のようなものだった」)レニー・クラヴィッツの名前を思い出すまでにまあまあの時間がかかってしまい、我ながらボケ老人の域が近いと思い知る
- レジーナ・キングの熱演は主人公のことをまるで知らない俺たちにも伝わるレベルなんですが、いかんせんフィクションの醍醐味って「本人の再現性」が高けりゃいいものではないんで。レッツゴーよしまさを見て君は本当に心が動くのかい。君の中で美化された故人を見ているからではないと言い切れるのかい。みたいな面倒な連想出来
- アーロン・ソーキンがこれ手掛けたらもっと舞台を凝縮すると思うんだよ。「情報の渋滞がスゲえ」って文句を言いがちな脚本家のことを、まったく関係ない作品を介してちょっと見直すなど
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