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新幹線大爆破の3104のレビュー・感想・評価

新幹線大爆破(1975年製作の映画)
3.9
2時間半飽きさせず。
千葉真一を“中継点”として、宇津井健パートと高倉健パートそれぞれに説得力や感情移入できる余地を与え、かつ事件モノとして進行させて最後は変な不明点や後味の悪さを残さずにエンドマーク。邦画でできるパニックものとしてはかなり健闘したのではないか(今ではできない。スケール面というより描写面での限界)。

しかし警察のマズい対応の数々はもとより、唐突な大学柔道部と喫茶店火事はくだりは醒めるを通り越して笑ってしまう。あそこはどうにかならなかったのか・・。
(多種多様な乗客の描写も熱が入っていたが、その中でも“宗教車両”が異色。川島雄三の『特急にっぽん』(61)にも同じような描写があったがそれの影響か?)

有名な話だが国鉄の協力を得られなかったので、緻密なミニチュアや精度の高い合成、そしてダーティーだったりスレスレな手を使いなんとか本物ぽく観せているのはお見事。走り続ける新幹線が見舞われる危機の描写も巧みだが、欲を言えば浜松の切り替え以降にもう一度くらい、車両運行上のピンチを配置してほしかったところ。

個人的には70年代以降のスケール大きめ「オールスター映画」界隈はあまり好みではないのだが、この頃の作品群は音楽は優れたものが多い。この作品もまたしかり。
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