Nana

浮草のNanaのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
3.5
小津安二郎のちょっと変則バージョン。
浮草のような暮らしの旅芸人の親方と、彼の事を叔父だと信じているカタギな隠し子。
息子があの川口浩探検隊の川口浩で、ちょっとテンション上がった。
旅芸人の姐さんが京マチ子で、色気がすごい。
息子を誘惑する若い旅芸人が若尾文子で、ピッカピカやで~!
お盆の夜に、あんなべっぴんさんに呼ばれたら、川口浩探検隊も震えながら前進あるのみ。

小津安二郎の映画って草食系なイメージだけど、こんな人間らしい作品もあるのね。

相変わらず灯台や灯篭、瓶の無駄にたくさんのショットや、庭のケイトウ、氷イチゴなど赤いアクセントもあったけど、役者さんたちの感情がこもった演技は珍しく感じました。

下着で誘惑するおばさんとか、娘に手を出すのは許さない床屋のおばさん、スイカをぺろぺろする子供などサブキャラも面白かった。

旅芸人とナントカって横溝正史みたいだけど、昔は意外とあったのかな。でもカタギではない人種だと、くっきり線引きされていた時代なのね。

カラーだけにとても昭和感がありました。
昭和は夏でも熱燗だったのだなあ。
おとぼけ3人組が頼んでた「チュウ」は、なんだろ?焼酎?
Nana

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