Nana

アメリカン・フィクションのNanaのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.7
アメリカのアフリカ系に対する差別意識を描いたコメディ。
日本では当たらなそうだと配信だけにしたようだけど、多分正解。
劇場まで行かなくても楽しめたし、監督、脚本のコードジェファーソンはドラマの人で、これも6話くらいのドラマにもなりそうな話だった。面白いけど日本人にはそこまでインパクトないというか。

家族がほとんど医師で自分は作家で裕福なアフリカ系の男。
こういう富裕層のアフリカ系って映画やドラマに出てこないよね笑
いつもワイン飲んでてリッチだけどタクシーは止まらない。

暴力的でラッパーでジャンキーで下品なのがアフリカ系で、そういうフィクションを「わかる、わかる、ブラザー」って知ったかぶりをする白人のおバカさ。
「グリーンブック」で、黒人だからフライドチキンが好きでしょ?って親切ヅラしてた時代から、あまり意識は変わっていないのかなあ。

この作品がオスカーの脚本賞をとったのは「ブラッククランズマン」じゃなくて「グリーンブック」に喝采した、過去への罪滅ぼしみたいな気がした。

差別だけじゃなくて、造り手と見る側のズレとか、中年になって実家と向き合う難しさとか、いろいろなエッセンスが入っていて、不快なテーマだけど楽しく見られた。

海辺の葬式も結婚式もいいなあ。ビーチハウスが持てるような裕福な家庭だからできるんだけど。

キャストはウェストランドのジェフリーライト、this is usのスターリングKブラウン、ブラキッシュのトレイシーエリスロスと、海外ドラマファンにはおなじみの人ばかり。

最後に流れるジャズがかっこよかった。
Nana

Nana