やまひろ

最強のふたりのやまひろのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
3.0
「体の苦痛は去っても、心の痛みは残るんだ」

フランス映画最大のヒット作となった今作、フランス人の3人に1人が観たとか観ないとか・・・それって凄いよね。

事故で全身不随の富豪フィリップと、彼に介護役として雇われた服役歴のある黒人青年ドリス。正反対の境遇の二人の心の交流と友情を、実話をもとに、ときにコミカルに描いた作品

実話をもとに・・・とは言うが、映画の内容はほとんど脚本されたものだと思う。観客に分かりやすく伝えているからこそ、単純にこの作品に感動するんだろう。
現実はあそこまで上手くいかないだろうな。。。

この映画、何も考えないで観ると、いい話だなーいい映画だなーって感じるんだけど、よくよく考えてみた。映画の途中途中で「差別的」な表現が多すぎて「嫌な気分」にも何度かなった。ただ、それらを「笑い」に転換しているのは上手い。ただし、笑えない人もきっといるだろう。

黒人差別、障害者差別・・・他にもあったかもしれない。
それらひっくるめて感動ストーリーに持っていってるから人気なのかも。

原題は『Intouchables』
意味は「社会ののけ者たち」「非難の余地のないほどすばらしいものたち」「不可触賤民(差別をされる立場の人)たち」など

それがなぜ日本では『最強のふたり』などという安い題名になったのか。
これはきっと日本人には人種差別があまり浸透していないからなのか、それらを感じさせない為なのか・・・もう少しいいタイトルはなかったのか疑問に思う。

深読みしてしまうのが悪い癖なので、深く考えなければいい映画だと思います。
やまひろ

やまひろ