ペルシャ猫

エルマー・ガントリー/魅せられた男のペルシャ猫のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

渋々観たけど、意外と好きだった笑

というのは、二項対立的な概念(主に俗 vs 聖)やそれにまつわる人物がストーリーのメインを占めていたので、話は分かりやすいし、途中まで散々その境界線を強調しておきながら最後はあっけらかんと、人間のサガといいますか、結局は俗っぽさには勝てないというか、神聖なものにどれだけ近づこうとしても、一周回ってその願望とかって全部俗だよね、って感じに投げ出すのが好き。人間臭さ万歳笑

メディアの普及によって宗教は娯楽に対抗するためのコンテンツとして扱われ出した時期だからこそ、大衆化して人間臭さとの親和性みたいなものが強まった感じはする。けど、(宗教というもの自体、”神聖”っていう言葉だけで切り取ると一見人間の領域を超える概念みたいなものを取り扱ってるように感じるけど、)結局信仰のスタートって”神が求める人間像に近づきたい”みたいな、人間の持つ願望や欲求をmaxに最大化したカテゴリーだと思うので、気づけば矢印はだんだん神じゃなくて自分自身に向いちゃって、目的と手段が逆になってるみたいな、それを今回の映画は分かりやすく描写してくれたと思う。

宗教って言い切っちゃったけど、キリスト教に対する印象?って書いてぼかしておきます笑

全然関係ないけど、流れ星はラッキーと思われることが多い一方、不吉なことが起きる予兆でもあるので、聖女シモンズがはしゃいでる時はすごく嫌な予感がしたけど、予想以上の展開におおお?!となりました笑

最後まで変に主人公サイドに取り込まれず、かといって新聞社の利益のためにあの手この手を使うのではなく、しっかりと洗練されたプロ意識を持っていた新聞記者は筋が通っていてかっこよかった。
そして”女心”を弄ばれたルルがエルマーに復讐を企みながらも、結局は”女心”で彼のために行動を改めることができた点は感心したし、下手に神の支えとして自身の俗の心を正当化してる聖女シモンズよりはタチがよくて好感度高かったです。