おさかなはフィッシュ

山猫のおさかなはフィッシュのレビュー・感想・評価

山猫(1963年製作の映画)
5.0
冒頭の祈祷のシーン、サリーナ公爵という中心にして秩序のもと、跪きそれぞれに位置する家族の人々。ラピスラズリを思わせる公爵の瞳は、その青を波及させる。衣裳の色調を通し、人々に支配を及ぼす。
そう、宇宙。公爵ほどの人物が自邸の天文台から見上げ、精神の合体を希求する崇高さ。
原作の小説で好きだった部分がこんなふうに映画に表れていたという発見。



博物学メモ
天藍石(ラズライト)という鉱物があるのを知る。



日本での上映契約満了により、スクリーンで観られるのは最後とのこと。
バスセンター前のユナイテッドシネマ、午前十時の映画祭。重い扉を恐る恐る開けると、シチリアの日差しは烈しく、開いた窓に揺れる白いレースのカーテンは、古く威厳のある屋敷の中へと私を誘う。その光の鮮烈さは生涯忘れないよ。

シネマシティにて鑑賞。
翌日、シネマ・ジャック&ベティでも鑑賞。