ドストエフスキーの短編小説原作。
ロシアの「白夜」をヴィスコンティがイタリアで再現。
イタリアには白夜はないけれど、後半の雪のシーンが綺麗。
一目でセットとわかる舞台も、作り込みが凝っていて監督の美意識のなせる技。
ダンスシーンがとても良くて、段々と気持ちが盛り上がる2人の想いと重なります。
主人公はどうしたって男前なマルチェロ・マストロヤンニなので、原作のいかにも夢想家で孤独な男性像からはちょっとかけ離れています。
しかも彼が惹かれるナタリアの想い人はジャン・マレーが演じており、濃ゆい三角関係。
お前は一年間もフラフラどこに行っていたんだと突っ込みたくなるのですが、顔を見るとジャン・マレーじゃそうなるわね…となぜか納得。
ストーリーは特別面白いわけではありませんが、たった3日ほどの男女の感情の機微をどうやって見せるのか、俳優の演技によるところが大きいのでしょうか。
だとすると、削ぎ落とし職人ロベール・ブレッソンのフランス版『白夜』もみたくなりました。