ヘソの曲り角

フランケンシュタインの花嫁のヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

3.5
前作のゴシックホラー的な面白さを継承することはなくハリウッドらしい賑やかなスリラーになっていた。前作にまるで出てこなかったうるせぇババアとか盲目で優しいけど酒とタバコを怪物に教えちゃうじーさんとかメインじゃないキャラが魅力的。全体的にシリーズ化していくためのデフォルメが一気に進行していて悲しい点もあるがまあ仕方ない。

本作でフランケンシュタインの怪物が言葉を話すようになる。終盤にはかなりぺらぺら喋る。意味不明のミニ人間を作り出す悪の博士がフランケンシュタイン博士の技術に目をつけてなんやかんやで怪物につがいをあてがってやろう的了見で女人造人間を博士に作らせる。怪物はdrinkとcigarとwomanのために悪の博士のもとで生みの親にあれこれ命令するのだがその姿があまりに哀れ。どこに行っても「ギャー!」と喚かれ弱点(前作の描写的にトラウマによる後天的なもの)の火を近づけられ散々な目に遭った怪物はそこかしこで死傷事件を起こしながらついに人造人間の女と出会う。が、彼女にも「ギャー!」と畏怖される。なんたる不遇か。

「フランケンシュタイン」と「フランケンシュタインの花嫁」を通してみたことで「哀れなるものたち」がどれほど本シリーズを意識しているかがわかった。