てづか

暗黒街の弾痕のてづかのレビュー・感想・評価

暗黒街の弾痕(1961年製作の映画)
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タイトルの出し方からして切れ味鋭い。
鶴田浩二より加山雄三の方が顔はすきなんだけど、いかんせん棒読み感があってどうなんだろうと思ってしまう。でもこれはこれで、主役然としていられるだけで重宝されるのも分かるかも。立ち居振る舞いがちゃんと主役だなとは思う。少なくとも、キャラクターには合ってる。


もう恒例になったのか、殺し屋の歌も入っててよい。あのナイトクラブのシーン、すっごいカッコイイ。歌ってる人物をバックに佐藤允さんがクローズアップされた瞬間の気持ちよさ。
次に誰が映るのか、誰が味方で、誰が敵か。
そういうのぜんぶ綯い交ぜにするような演出が素敵。

ていうか中丸忠雄さん、まーたこういう役やっとるわと思ってめちゃ笑った。もう暗黒街シリーズでは定番なのね。ああいう悪役スーツと葉巻が最高に似合うよなー。好き。すっごいセクシー。運転してるだけの何気ないカットでもカッコイイのはなに???

でもこの映画では、誰より何より佐藤允さんだなとも思う。飄々として敵か味方か分からない振る舞いをしつつも、ピンチの時には必ず現れ助けてくれる。ズルい。カッコイイ。

ラストは2人が足りないところを補うようにして銃を撃つのだが、そこにバディものの楽しさが凝縮されていた感じがした。

色々とツッコミどころはありつつも、面白くなかったとは思わないし観ていては楽しかった。
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