マーチ

ロストパラダイス・イン・トーキョーのマーチのレビュー・感想・評価

3.2
珍しく邦画レビューを3作連続で投下します。


【省略レビュー】

『凶悪』『狐狼の血』の白石和彌監督 長編デビュー作。

既に作品としての完成度が高く、白石監督の才能の片鱗を窺い見ることができる上、この日本の片隅で必ず存在しているであろうバカにならないリアルな問題を扱っており、大変観る価値のある作品だった。

知的障害を抱える兄の面倒を見ながらも上司に文句を言われつつ仕事に励む弟の生きる意味を失ったかのような表情と言動の数々に社会と世代と現実の闇を感じるし、デリヘルをしながらアイドルとして活動する女性の対極の姿に現実の過酷さと一筋縄ではいかない人生の恐ろしさを見る。それでも何か目標に向かって寄り添いあって生きることができれば、少しでもよりよい道が目の前に拓けるのではないか。この作品はそう言ってくれている気がする。

さすがにちょっと飛躍し過ぎではないかと感じる部分も多々あるのだけれど、少し過剰なくらい現実の恐ろしさを突き付けてくる割には破綻していないし、当時の社会問題をグッと詰め込んでいる割にはどれも上手く捌けているという部分に監督が後々現す才能の風格を読み取ることができる。最後の方でちょこっと監督が出演していたのには笑った。

あと内田さんの演技は必見です!


【p.s.】
忙しくてレビューをしっかり書く機会が無いので超テキトーに今年観た作品を投稿していきます。
暇があれば正式なレビューと入れ替えますが、きっとそんな瞬間は訪れないでしょう。
だって、私ですからね。
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