Mariko

海外特派員のMarikoのレビュー・感想・評価

海外特派員(1940年製作の映画)
4.0
大昔に観てたはずなんだけど、ビックリするくらい忘れてた笑。

雨のアムステルダム群衆下での殺人、そこから逃げる犯人と追いかける主人公をひしめく蝙蝠傘で見せる演出、からのカーチェイス。この一連のテンポと緊張感だけでも観る価値ありと言っても過言ではない。そして逆回りの風車から、少しずつ判明していく事件の黒幕の意外な正体。この辺の流れは素晴らしい。
そしてドイツ軍艦の砲撃で海上に不時着した旅客機の機内のシーンは、これを80年前に撮ってるとは思えない迫力!
敢えて難をあげるなら、主人公二人のロマンスがとってつけたような、というか、えっいつからそうなったの?感が漂ってるところかな。

主人公役のオファーをゲイリー・クーパーが断ったらしく、これを彼が演じてたら桁違いの作品になってた?と思う一方、この素敵なんだけどアクが強くなくてそんなに印象に残らない笑主役だったからこそ、の今作だったようにも思える。

ヒッチコックの後の作品の原型になったと思しき場面もたくさんあって、中でも「HOTEL EUROPE」の屋上でELが消えるシャレっぷりがとても良いし、その追跡劇は『シャレード』...って、あれはスタンリー・ドーネンがヒッチコックごっこをしたヤツだったか笑。と、まあヒッチコックのみならず、その後のサスペンス系作品に多大な影響を与えていることも間違いなし。
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