すずき

サイクロンZのすずきのレビュー・感想・評価

サイクロンZ(1988年製作の映画)
4.2
弁護士のジャッキーは、勝訴の為なら手段を選ばない男だ。
工業排水を垂れ流す工場の弁護を引き受けたジャッキーは、原告の釣り堀の女店主イップを懐柔の為、アウトロー友人のトンには盗聴器を、ウォンにはイップを口説き落とさせようと画策する。
しかし互いを知らないトンとウォンは足を引っ張り合い、そしてジャッキーは原告側弁護士のメイに惚れてしまう。
果たして裁判と恋の行方は…!?

「スパルタンX」とタイトルが似ているけれど、主演の3人が同じだけで関連性は無い。そして、例のごとく「サイクロンZ」という言葉に意味はない。

ジャッキーがアウトロー側の人間、という珍しい設定。
しかし、正義感が全くないわけではなく、(それが悪人でも)依頼人を勝訴にする、という仕事の為の非情さに徹している男だということが冒頭に示される。
そして美女には目がないプレイボーイ、という憎めない所も。

「スパルタンX」に比べると、テンポもよく、コメディ部分も楽しめた。
そしてラブロマンス要素も悪くない。
けれど、ジャッキーに惚れてる様子の助手の子が報われないのが、ちょっとかわいそう。健気なのに!
そこはジャッキやサモ・ハンと違い、ラブロマンス要素皆無のユン・ピョウとくっつけさせるべきだろ!
しかもユン・ピョウはちょっと頭がおかしいキャラだったり、サモ・ハンに捕まえられて警察送りになったりと、あまりいい所がない役回りだ。

見所は、ジャッキーvsサモ・ハンvsユン・ピョウの三つ巴のどつきあい、ユン・ピョウのニンジャみたいなアクロバティックなアクション、そしてクライマックスの「スパルタンX」でも戦った、ユキーデとジャッキーの再戦!
ジャッキーの胴回し回転蹴りがカッコいい!…今調べたら、そのシーンはスタントマンなのね。

しかし、裁判中に告白するとんでもないシーンの、公私混合も甚だしいジャッキー弁護士もヤバイだけど、裁判長もセクハラ発言したり首を突っ込みたがったりとやりたい放題だw
逆転裁判のサイバンチョみたいなボケっぷりに笑いました。