すずき

デルタ・フォース2のすずきのレビュー・感想・評価

デルタ・フォース2(1990年製作の映画)
3.4
麻薬王ラモン・コタは慎重・狡猾・残忍な恐るべき男で、南米の某国を根城とし、政権とも深く癒着していた。
麻薬取締局は国外に出た彼を逮捕しようとするが、内部から情報が漏れており、逆に捜査官を殺されてしまう。
内通者の存在により身動きの出来なくなった取締局は、米軍特殊部隊デルタ・フォースにラモンの身柄拘束を依頼。
こちらのスパイからもたらされた情報によって、マッコイ大佐とボビー少佐はラモンを捕まえることに成功する。
だがアメリカ司法とも癒着していたのか、裁判では保釈金のみで放免されてしまう。
そしてラモンは報復として、ボビーの家族を狙うのだが…

現人神チャック・ノリスの「デルタ・フォース」の続編。
前作は、前半が退屈だった事と、バイクからミサイルを発射する事しか記憶になかったけど、鑑賞には何ら問題なし。
Filmarksの平均スコアも低いけど、存外悪くなかった。

チャック・ノリスと言えば、「エクスペンタブル2」の時のような理屈無用の最強無双!のようなイメージがあるけれど、この作品ではまだリアルな強さ。
「コマンドー」のメイトリックス大佐のように、1人で敵組織に乗り込んで皆殺し…なんて出来るはずもなく、仲間に助けられなければ死んでいた場面もしばしば。
素手ゴロなら無敵なんだけどね…。

この映画、現場主義の人が多い!
主人公も階級は大佐なれど、指揮は取らずに単身潜入破壊活動。
そしてなんと、将軍でさえもヘリで現場に出る!

彼らは国際法ガン無視で他人様の国で暴れ放題、ジャングルの村を戦場に変え、ミサイルを容赦なく叩き込む!「ワルキューレの騎行」を大音量で流すの忘れてますよ。
流石に善良な村人達は逃がしてからとはいえ、焼け野原に変えた後、去っていくヘリを横目に戻って来る村人達が可哀想。
しかし、これも巨悪を倒すため、必要な犠牲なのだ!USA!USA!

そんな好き勝手するアメリカ軍に、現地の軍隊も黙っちゃいない。
将軍自らヘリに乗ってチャック・ノリスと戦う…ってお前も現場主義か。

アクションは悪くなかったが、盛り上がりに欠けるバランス。
中ボス戦のタイマンが最高潮で、それ以降は更に盛り上げる事が出来ず、淡々としたアクションの連続になってしまった様に感じた。
中ボスをキックで吹っ飛ばして尖った物にグサーッ!なんて、「燃えよドラゴン」じゃないけどラスボス戦にするトドメ演出だよね。