レオピン

第3逃亡者のレオピンのレビュー・感想・評価

第3逃亡者(1937年製作の映画)
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原題『Young and Innocent』
逃亡者もの 第3とは何のことだろう?

父親が警察署長の聡明な娘が殺人の疑いをかけられ逃亡する男を助ける。
若いお嬢さんと青年の心模様を丁寧に見せてくれるんだがちょっと退屈だったなぁ 
メロドラマがちょっと 吹替版で見たから余計かな

面白かったのは叔母の家でのパーティーシーン。確かに日常場面でもイヤな人物に捕まるサスペンスというのはある。昔からパーティー好きゲーム好きの退屈な人種というのはどこでも嫌われるんだな。夫はそれに気がつき妻が目隠ししている間に二人を逃してしまう。決して彼らの事情を察していたのではなく、退屈地獄につきあわさせてはすまないという気持ちからだ。家では尻にしかれてるんだろうなぁ。アメリカ公開時はここ全部カットされたらしい。面白いのに。

凶器はコートのベルト。コートを見つければ無実の証明になるというが、捜索が簡単に行き過ぎて面白くない。盗まれたコートを貰ったという、陶磁器の修理もするウィルというホームレスが鍵を握る。彼を探して労務者たちに混じって簡易宿泊所に泊まる。パイプベッドだけ並んでいるたこ部屋のような宿。
叔母の家も警察署長の家も見事な邸宅だったがこの対比よ。階級社会の英国の姿を見せつけられる。

警察に追われ廃坑に逃げ込むといきなり床が落盤して車が沈む場面。ここのカットつなぎ、心理描写だけではなくアクションでの編集も見事。

一番の見せ場は、あのクレーンでのワンショット撮影。ワンシーンワンカットが気持ちいいのは分かるんだよね。でもデパルマとかの『スネーク・アイズ』なんかと違って上品さが違うね。 

容疑の青年ロバートにデリック・デ・マーニー
警察署長の娘エリカにノヴァ・ピルビーム 『暗殺者の家』(‘34)


⇒レストランでの曲 No One Can Like the Drummer Man
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