陰謀論者X

上意討ち 拝領妻始末の陰謀論者Xのネタバレレビュー・内容・結末

上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

武士道残酷漫画「シグルイ」を彷彿とさせるような理不尽と残酷を描いた名作ですね。
「封建社会の完成形は、少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成される」‪……‬というのはシグルイの冒頭にある有名なセリフであるが正にそれを地で行くような理不尽と残酷が300石馬廻番の侍の家に襲い掛かる。誰もが理不尽だと思ってはいるが全ては「体面とお家安泰」のため理不尽を飲めと言う。

それに真っ向から立ち向かう一家の覚悟が実に熱かった‪し、三船敏郎・仲代達也・加藤剛の時代劇俳優が実に素晴らしかった。江戸時代の封建社会では、この手の理不尽は常に起こっていたのだろうと。

ラスト、互いの武芸の業前を認め合っていた三船敏郎と仲代達也が真剣で切り結ぶ対決シーン、そして数で押しつぶすべく薮に潜んでいた多人数の敵から襲われ、いくつもの銃で何発も狙撃されつつも獅子奮迅の暴れ方で敵を皆殺しにする三船敏郎の執念の表情が実に良かったし、その戦いを最後まで見届けて親なし子になってしまった赤子を抱いて帰途に着く乳母役の市原悦子もちょい役ながら良かったですね。
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