陰謀論者X

ファンタスティック・プラネットの陰謀論者Xのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ずっと気になっていた本作をYouTubeで期間限定配信していたので視聴。

青い肌に赤い目を持つ異星の巨人・ドラーグ人の子供に母親を殺された人間の乳飲み子・テール。そこに偶然通りかかったドラーグ人の知事とその娘ティバに拾われて飼われるところから始まります。

この「巨人に人類が虐げられる」というイメージは後に「超時空要塞マクロス」や「GANTZ」そして「進撃の巨人」の中で見られますが、やはり今作からインスパイアされたところは大でしょうか‪……‬?

このドラーグ人は瞑想の時間を何よりも大切にする種族で行動様式はあまり人間と変わりないように見えますが、文明が発達した彼らにとって人間は単なるペット扱いの下等生物であり、人類はどうやら文明が崩壊した地球から連れ去られたものがドラーグ人の母星・イガムで繁殖したのかもしれないと想像しました。

やがて成長したテールは脳に直接知識をインプットする学習レシーバーとともティバの元を去り、人間たちが集団で生活する場所に合流する。そこでは野蛮人種と高等人種が入り混じって生活しているのですが、そこでは夜になると体が光る食べ物を食べて性交する奇妙な文化があったり、スライムみたいなクリーチャーに取り囲まれると服を編んでくれるというトンデモ・イマジネーションが炸裂します。

仲間たちにも学習レシーバーで知力をアップさせていくなかでドラーグ人による人類絶滅計画が発動。ガス兵器で大勢殺されてしまいますが、部族の垣根を超えて団結します。この辺りは実に熱い展開があります。

そして人間時間で15年後。人間はロケット墓場に都市を構築し、ドラーグ人の星からロケットで脱出を企てて「野生の星」に逃げ落ちますが、そこはドラーグ人が繁殖するために必要な男女の像が多数いる星だった❗️

この像を破壊されるとドラーグ人にとっては存亡の危機となるらしく、遂にドラーグ人と人間との間に和平が成立❗️ 地球(テール)と呼ばれる人工の惑星を作り上げて、ドラーグ人と平和に共存するのでした。めでたしめでたし‪……‬と粗筋を書いていてもトンデモすぎるのですが、たった70分で新鮮な面白みと刺激を得られたアニメーション作品でした。これを半世紀も前にクリエイトしていたとは‪……‬凄い想像力だなと。
陰謀論者X

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