上意討ち 拝領妻始末の作品情報・感想・評価・動画配信

『上意討ち 拝領妻始末』に投稿された感想・評価

L

Lの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

江戸時代の話!つまり時代劇!しか情報がないところから鑑賞。
まずまともな感想を述べると、シンメトリーの構図が美しく緊張感があり、画面構成が素晴らしかったです。

以下は恐らくまともではない感想。
刀つよつよの主人公が、紆余曲折あって息子夫婦の強火オタクになって死ぬ話でした。
主人公が現世に生まれてたら、神絵師として一世を風靡して壁サーとして活動していたと思う。
刀フレンズとのブロマンスかと思っていたが、たしかにブロマンスもあったのだが、強火オタクとして覚醒してから死ぬまでの気持ちがデカすぎてビビった。
まさか孫娘に対して「お前もいち(息子の嫁)みたいになれ!そんで息子みたいな男と結婚しろ!」が最期の言葉になるなんて思っていなかった。
他の方の感想もいくつか目を通したが、私が観た作品はちょっと違うのかもしれない……みたいな感想が多くてビビっています。
今ほど生きている気持ちがしているのは初めてだという伊三郎。人間の尊厳をかけて戦う様が、カッコ良かったです。司葉子演じるいちの立場が本当に本当に可哀相でした。
非常に丁寧なカット割で見せてくれる、お手本のような良い映画でした。環境音も足音も聴こえず、必要な音だけを入れているのも印象的でした。
重たい話の中で、ふわっとした市川悦子が出るとほっとします。
椿三十郎の二人がまた見られて幸せでした。最後は三船敏郎が強すぎて、ちょっと映画の夢から覚めちゃったかな。
*010
□物 語 ★★★★★ ★★★
□配 役 ★★★★★ ★★★
□演 出 ★★★★★ ★★★
・テ ン ポ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆
・喜怒哀楽 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆
・ドキドキ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆
・雰 囲 気 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆
・エンディング ☆☆☆☆☆ ☆☆☆
□映 像 ★★★★★ ★★★
□音 楽 ★★★★★ ★★★
Omizu

Omizuの感想・評価

3.8
【1967年キネマ旬報日本映画ベストテン 第1位】
『怪談』などの名匠小林正樹の時代劇。ヴェネツィア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞しているのだが、コンペティション部門には入っていない…どういうこと?

江戸時代、とあることから封建社会に反抗する3人の人物を描く作品。

すごく面白い。前半は司葉子演じるいちに何があったのかという興味で引っ張り、後半はいよいよ幕府との闘いに身を投じる姿を劇的に描いている。

司葉子が素晴らしい!自分の意思をしっかりと持つ強い女という役柄にあったキャスティング。凜とした眼差しがカッコいい。

養子として妻の尻に敷かれる伊三郎が満を持して反抗するのが最高にカッコよく、勝ち目もないのに「初めて生きている感じがする」という生きがいを最後に見出すという熱い展開が胸を打つ。

長男の与五郎は妻と子を愛す優男であるが父とともに立ち上がる。親子の共闘は胸アツ。

仲代達矢も美味しい役。封建社会に不満を持ちつつも親友の伊三郎と戦わざるを得ないのが哀しい。

浅野と伊三郎が終盤子をあやすところなんかまるで夫婦のよう。友情を超えて互いを理解し合っているのが伝わる。

演出も何気ないが巧みで、左右対称の画面、舞台のような照明と『怪談』とも通じる美意識が全体を貫いている。

封建社会への反逆というテーマをドライに、スタイリッシュに仕上げた秀作と言えるだろう。
泉くん

泉くんの感想・評価

4.5
クソ面白い。昔の映画をアマプラで見るだけの映画生活で良い気がしてくる
歴史上でも近代でも自分の女を部下に押し付けるのはままある話だけれどそれを再度取り上げるのはあまり聞かない。😅
この場合、再度大奥に入ってももう殿様の相手ではなく世継の母親という立場のみの生きた屍状態になるんだろうと思う。
二十代半ばで華美な生活かもしれないが人間としての楽しみや喜びはものすごく制限される。どちらがいいのかはその人次第。😅
酷い殿様と言って仕舞えばそれまでだが阿諛追従する側用人、家老も酷い。
家格を守らねばならない立場、愛する嫁を守る立場、婿養子で我慢を重ねてきた者、それぞれが各自の価値観と正義でせめぎ合う。
折れそうになる気持ち。貫く心。
助けたい友情。悲しみと怒り。
様々な感情がせめぎ合う人々の上でノーテンキに好き放題の殿様。
音楽は武満徹。現代音楽は辛いものが有るが映画音楽は聴ける。😅
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.5
【トップダウンによる理不尽さ】
小林正樹監督は『人間の條件』しかり『切腹』しかり、日本の組織の問題点を語るイメージがある。『上意討ち 拝領妻始末』も例に漏れず、日本のトップダウン組織の辛さを描いた作品だ。

孫がほしいと言ったがばかりに、息子に縁談が持ちかけられ、訳ありの女性を押しつけられる。上の指示に逆らうことができないので結婚生活が始まるのだが、思いの外上手くいき、家族ができる。しかし、夫婦円満になると、今度は藩から、「女を返せ」と言われる。あまりにも理不尽な引き裂き方にキレるという内容だ。

流石に今の時代では、このような人身売買的に女性を扱うことはないが、サラリーマンからするとこの手の理不尽は身に覚えがありすぎて泣けてくる。白羽の矢が立ち、渋々受け入れる。そしてやっとのことで軌道に乗せたと思ったら、無茶苦茶なコスト削減を言い渡されたり、儲けていない事業だからと軽んじて扱われたりする。トップは下の痛みを感じずに無茶を言う。

小林正樹は松竹での下積み時代や戦時中の満州警備での経験が相当辛かったのだろう。生々しく、ヤスリで体を擦るような痛々しい人間ドラマが描かれている。

ただ、小林正樹監督は単純な重い社会派ドラマに着地することなく、殺陣描写へのこだわりの強さが2020年代に入っても廃れることのない巨匠へと押し上げたと言える。なんといっても命の重さが感じられるのだ。人殺しの刀を持っている以上、生と死は隣り合わせだ。だから一振り一振りに慎重を要する。滑稽に見えるポーズも、真剣な眼差し、手汗握る手つきで持って、カッコ良く見える。刀と刀がぶつかり合うと、緊迫感溢れる均衡が保たれる。それを斜めの角度からダイナミックに撮る。小林正樹映画は中学時代以来の観賞でしたが、発見が多かった。他の作品への興味が湧いた。
ky7073

ky7073の感想・評価

4.5
長い間観たくて観れてなかったやつ

アマプラで買って観ました
Saadiyat

Saadiyatの感想・評価

3.9
1967年昭和42年小林正樹監督橋本忍脚本の時代劇傑作。会津藩第一、主君第一、300石といえどもお家第一。いいえ、武士の本分は筋を通すこと。戦う男となって死ぬ。サラリーマンの憧れも入って娯楽度が「切腹」などより高い気がします。三船47歳仲代35歳司葉子33歳神山茂38歳。面白いです。
デニロ

デニロの感想・評価

3.5
今まで気が付かなかったが物凄い題名だと思う。拝領妻。原作ものだというけれど。

橋本忍は題名で観客を脱力させてしまえと思ったのだろうか。小林正樹の重厚な演出に笑っていいのか、と思いながらも笑ってしまう。そんなシーンが随所にあって、一体本作のカテゴリーは何だろうと戸惑うのもミスマッチ効果だろうか。

残念なのは司葉子が二十歳そこそこの側室という風にはとても見えなかったこと。これはつらかった。
婿養子の三船敏郎が妻君の大塚道子に20数年間忍従しているという姿もイメージできない。尤も夫婦なんてこんなものだろうとは思うけれど。

で、お殿様の側室を払い下げられ、その側室がお世継ぎのご生母となるに際してはお殿様に返上しろ云々の理不尽な話に憤る、というストーリーだがささやかな抵抗の果てに権力の力の方が勝るという結末が待っている。が、終盤取ってつけたように荒野での大立ち回り。仲代達矢対三船敏郎。どこかで見たような組み合わせだが、脚本、演出はこんなこともしてみたかったのだろうか。それとも営業の要請だろうか。この部分が長い。

それにしても意気軒高だった加藤剛があっさりと死んでしまうのは戦いをしなくなった武士の柔弱を描いたのだろうか。

1967年製作公開。原作滝口康彦 。脚色橋本忍。監督小林正樹。
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