陰謀論者X

トレーニング デイの陰謀論者Xのネタバレレビュー・内容・結末

トレーニング デイ(2001年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

何度も見て大好きな作品なのですが、久しぶりにアマプラであえて吹き替え版を鑑賞。

麻薬捜査刑事を志望する新人ジェイクの訓練日の始まりに教育係の黒人上司アロンゾが満足するような面白い話が出来なかった罰で朝飯代を払わされ、ローライダー仕様のモンテカルロでガッコンガッコンいわされるジェイク受難のスタートぶり。車を出す時にかかるDr.DREの「Still D.R.E.」がまた良い😇

アロンゾはジェイクに麻薬捜査刑事としての矜持を運転しながら教えるのですが、言葉巧みにまた拳銃をジェイクの頭に向けながら麻薬吸引を強要して弱みを握ったり、中学生をレイプしようとしていたホームレスの金玉を拳銃で強打したり、スヌープドッグ演じる車椅子の売人の喉にボールペンを押し込んでゲロ吐かせたり、捜査令状を持たずに売人の元締めの家に押し入って強盗&住宅地の真ん中でチンピラと派手に銃撃戦したりとやることなすこと本当にムチャクチャなんですが、バックミラーで自分の目を見ながらたまに素に戻ったように真面目になったりするアンビバレンツぶりがまた面白い😇

途中、街のチンピラにしか見えない四人の部下を招集してスコット・グレン演じるヤクの売人の大物の家に押し入ってまた強盗して大金をせしめます。一体1日に何度強盗するのか(笑)

流石にアロンゾも日頃からこんなにはトバしていないのでしょうけど、何せロシアンマフィアに支払う示談金100万ドルを用意するために必死だった事が後で分かります。たまたま支払い期日にジェイクの訓練日が重なっただけでお互いタイミングが悪すぎたんですが、アロンゾもそんな大変な日なんだからジェイクの面倒見るの延期すれば良かったんじゃね?などと後から思ったり。

結局、カネで取り込めなかったジェイクを煙たがってヒスパニック系ギャングに始末させようとしたのがアロンゾの運の尽き。ハニホー・ヘニハーそっくりなギャングのイトコをレイプから救っていた事で死地から生還したジェイクにとことん追い詰められます。車の上に降ってくるジェイクはホラー映画みたいな怖さもあった😇

これまで偉そうにしていたアロンゾをずっと煙たがっていたジャングル住民を恫喝するも全くいう事を聞かず、後ろからケツを撃たれ、ジェイクには100万ドル持ってかれ、愛人にはそっぽを向かれてと散々な目に遭ったアロンゾが、ダメ押しとばかりに期限切れを狙っていたロシアン・マフィアに取り囲まれてモンテカルロごとしこたま銃弾を撃ち込まれてしまうシーンはショッキングでまた良い😇

身なりもシュッとしてキメていたアロンゾが第一斉射では即死せず足を引き摺って半死半生になりながらも武器を積んでいると思しきトランクを開けようとする姿が滑稽で実に哀れです。そんなアロンゾが第二斉射でしこたま弾を撃ち込まれ体をビクビクさせながら絶命、ニュースでその死が報道されるところで物語は終わりますがどんだけハードすぎる一日だったのかと。

アロンゾに追い込まれて獣の目になっていくイーサン・ホークの演技も上手いなと思いますし、デンゼル・ワシントンのヒール演技や目に涙をためながら「家に帰りてぇ」とジェイクに媚びる場面の演技なども素晴らしいものがあるなと思います。もう23年前になる映画なのですね‪……‬あまり古さを感じないなと思いました。
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