回想シーンでご飯3杯いける

アメリカン・グラフィティの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)
3.2
「スター・ウォーズ」シリーズでお馴染みのジョージ・ルーカスの初期監督作品。デビュー作「THX1138」が難解な近未来SFだったのに対して、こっちはアメリカ人なら誰でも共感できるであろう青春映画。
公開は'73年だが、舞台は'62年になっていて、つまり「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」の1作目でマーティがタイムスリップした行き先とほぼ同じ時代。アメリカ人って、この時代が好きだなぁ。日本で言うと「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じ時代なので、まあこれはどこの国も同じ傾向なのかもしれない。

高校を卒業したばかりの男子4人組の、ある夜の物語。アメリカの進学が9月なので、本作は8月のサマーホリデイの話という事になる。4人が一緒に行動するシーンが殆どないのは凄くアメリカらしいと思う。各々が別々に女の子をナンパして一夜限りの恋を楽しむ。ナンパする事も、される事も、格好良いこととして描かれているのも、最近の映画とは違う部分。特に近年の邦画では、クラス内の派閥やグループに沿った出会いが主流になっていて、画的に全然面白くない。本作のように高校を出たばかりの若者であれば、自分の可能性を確かめる為に、新しい出会いに賭けてみるぐらいの欲がある方が良い。

一番の見所は、アメリカの伝説のラジオDJが本人役で登場するシーン。ラジオDJが顔出しする機会が少なかった時代だからこそ成立する粋な脚本にしびれた。