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ブレックファスト・クラブのgのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
5.0

「学生時代に観ておくべき映画と言えばー?」

「「「ブレックファストクラブ!!!」」」

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中学時代の頃、
割と”真面目な子”でありました。
ある日、日直の仕事で日誌を書くことになりました。
私は自分が書くべきページの一つ前のページに、”素行のよろしくない○○君”が書いた日誌を見つけます。
なんと、記載すべき欄が全て書かれておらず、いかにも”テキトー”に書かれた日誌。
でも、先生の花マルはしっかり付いている。
そこで私は、”素行のよろしくない○○君”が書いた日誌を真似て、テキトーに書いて先生に提出しました。
すると、
「何でこんなにテキトーに書くの?しっかり書きなさい」
先生は私にそんな風に注意しました。そこで私は、
「だって、○○君はこんなにテキトーでも、花マルを貰えているじゃないですか」
と反論します。すると、先生から驚きの一言。

『○○君を見るのと同じような目で、あなたを見てもいいの?』

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ほんとに個人的なことを書いてしまって申し訳ないんですが、後にこの映画を観て、あの日の出来事ってブレックファストクラブの最後の作文の一部分みたいだなぁ!と思ったので書いてしまいました、、

当時の私には驚くべき出来事でした。
確かにテキトーに書いた私も悪いんですが、
先生ってそんなものか、なんて思って一気にその先生を見る目が冷めてしまった記憶があります。

さてさて肝心の映画の内容ですが、、
これぞ青春映画の金字塔!と胸を張って言いたくなるほど、この映画大好きです。

登場人物は、
〈お姫様な〉クレア
〈スポーツ馬鹿な〉アンドリュー
〈ガリ勉の〉ブライアン
〈不思議ちゃん〉アリソン
〈チンピラ〉ジョン
の五人と、一人の先生。

この五人がそれぞれとある事情で補修を受けることとなり、一つの教室に集まるところからお話は始まります。

【補習の課題は、「自分とは何か」という作文を書くこと。】

まず、冒頭のシーンが良い!!
オープニングの曲が流れると共に、学校の中の様子が映され、廊下の壁に”I don't like MONDAYS”の文字が書かれているのが見える。ここだけでもう既に観ている多くの人の共感が得られそうだし、この映画がこれから何を伝えたいのかが示唆される場面でもある。

そして五人が学校に集まるシーン。
これはBlu-rayの特典で監督も言っているんだけど、「学校にやってくる」というのを写すだけで、ひとりひとりの家庭環境や悩みが一瞬でわかるようになっている。それは例えば「親に送ってもらっているか否か」だったり、「親との会話」だったり。短いシーンで五人の背景や性格を表し、一瞬で登場人物と観ている側の距離を縮めるのは凄い。

そこからの五人の会話劇。
性格も、学校で属すグループも違う五人。
初めは自分と相手の違いから、衝突する五人。
でも、話していくうちに、自分と同じようにそれぞれが悩みを抱えていることに気付いていき、段々と打ち解けていく。
ここでの会話劇は驚くほど自然で、観ていて自分まで五人の会話の輪に入っているんじゃないかと思うほど。それくらい、登場人物のそれぞれの気持ちが痛いほど理解できる。

学生だからこそ感じることができる、
逆に言えばその時代にしか感じることができない、心の痛みや悩み。
それを、大人たちはわかってくれない!!
でも自分たちも確実に大人になっていく。
心の機微が顕著な高校生という生き物の葛藤を上手く描いていたと思う。

本来は関わることがなかったはずの五人。
いわゆるスクールカーストを超えて関わった五人。
でも、だからこそ自分の思いを打ち明けられた。

「じゃあ月曜日また学校であったら、またこんな風に話せる??」

その問いが胸に刺さる。
エンディングで流れるシンプルマインズの”Don't You”では五人の思いを歌うかのように
「私を忘れないで、いつかまた心は通じ合うから」と歌われている。

最後に、
「自分とは何か」という問い。
それに答えるブライアンの作文が素晴らしい。


この映画を観た誰もが6人目のメンバーになっているんじゃないかと思う。
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