グレハニスト森田

イベント・ホライゾンのグレハニスト森田のレビュー・感想・評価

イベント・ホライゾン(1997年製作の映画)
3.3
如何にも90年後半のSFホラー。

さて、この作品もご多分に漏れず舞台美術は如何にもリドスコ「エイリアン」に影響を受けているようでモンスター映画の匂いがプンプンする前半から、実のところコズミックホラー的な展開に進む新鮮さがウリか。
初期案にクライブ・バーカーが参加しているようで、後半は答え合わせのように「ヘルレイザー」的ビジュアルの連続で、その手の人には受けるのかもしれない。

純粋な宇宙ホラーものとしてはお約束的展開で、ある意味安心できる。
『お笑い枠』がしっかり存在しているのもポイント高し。

別次元(本質的悪意)に対比させて、登場キャラクターにトラウマ要素を持たせているが尺の問題でかなりカットされたようで鑑賞者なりに適当な解釈は必要である。
セノバイト化したサム・ニールのビジュアルが異様で、とても「ジュラシック・パーク」の主演だったとは思えない有様なのもポイントか。笑
『悪意そのもの』を現世に呼び出そうとする構造と、「悪意」という極めて抽象的な怪物をキャラクタービジュアルの変容で表現した点に注目すると「パラダイム」に近いものを感じる。

ポール・アンダーソンは「バイオハザード」シリーズのお陰で好きになれないが、悪くない出来栄え。
当然、興行収入は最悪だったようである。笑