フエラムネ

スタンド・バイ・ミーのフエラムネのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
4.2
閉塞感や喪失感、狭い世界での理不尽に対するやるせなさを抱えた少年たちは、功名を求めて旅に出る。
潔白を証明するのに神に誓い、仲直りをするのに握手を求める彼らの清らかな精神が、彼らを取り巻く不平等な環境の中で(家族すら彼らの拠り所とはならない)ひときわ眩しい。

主人公の少年は兄を失ったが、気持ちの整理がまだついておらず、父は自分を憎んでいると感じてしまう。
終盤、彼らが見つけた死体は、ただ何の理由も無く死んだという点を除いて兄と何の関係もないのだが、
彼はようやくそこで兄の死に直面したのだ。
彼は誰よりも親しい肉親の死を受け入れ、日常に戻ってゆく。

ただそれもひと夏の思い出に過ぎず、それぞれの道を歩んでゆくところに郷愁を感じる。
フエラムネ

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