三畳

エレファント・マンの三畳のレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
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飲み下せない、うまく捉えられなかった作品…
ラストの選択があるから好きになれないわけじゃない。
人としての普通の幸せって何だろう?
私はどこかでその人がその人であることでしか掴み得ない幸せを見つけなければいけないと思っているかも。悲惨な虐待を覆すほどの喜びが待っていなくてはいけないのに、それが人として普通に接してもらうことや何でもない贈り物を受けることだというのが悲しいのかな。
自意識に閉じ込められている自分が医師ならあの葛藤の時点で折れている。エレファントマンはどうあってくれても別によくて、というか接する自分のあり方で頭がいっぱいになって相手が見えなくなってしまう自分にとって主人公は医師だった。偽善じゃない(または悪!)と心に明言できなきゃ施しなんてとてもできない。けど本物の高貴な善はそんな自覚問題の陰りもないところにある気がして。
見世物小屋観に行ってみたかったけど、その心は夜に病室に忍び込んだ乱暴なゲス集団と同じなんだよなと鏡を見せられたようだ。
もう一度捕まったエレファントマンを芸人仲間が協力して逃がそうとするところはティムバートンがダンボ(私が大嫌いな方の)でオマージュしたんだなと思った。だけど何もかも違うからよけい混乱した。ティムバートンは自分を異形に重ねていてマイノリティの悲しみを撮る人と言われているから、まずそのへん理解できてない自分はここで思い出さなきゃよかったなと思った。
三畳

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