ShinMakita

ダラスの熱い日のShinMakitaのレビュー・感想・評価

ダラスの熱い日(1973年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.3
☆Filmarks基準スコア:3.2



…移動標的を1人で狙うのは無理。2人でも失敗率は高い。3人で狙撃するのが理想的だ。






1963年6月。タカ派の軍属フォスターの元に集まった政府要職の面々。彼らは、情報畑のベテラン、ジェームズ・ファーリントンが立てた「計画」に耳を傾ける。黒人びいきで軍縮を公約にし、国力を骨抜きにしようとしているケネディの野郎を始末しようという暗殺計画だ。3人1組のチームを二つ作り狙撃演習に専念させる一方、スケープゴートの選定に入ったジェームズは、二重スパイ経験を経てニューオーリンズで反共活動を行うオズワルドという男に目をつける。


「ダラスの熱い日」


オズワルド単独犯行説を否定する陰謀論に基づいた、ドキュメンタリータッチのドラマ。事実がどうあれ、陰謀だとすればこうだよね、というリアリティは充分な作品。シークレットサービスの杜撰さやダラス市警察のダメっぷりもさりげなく描かれているのが興味深い。地味な会話劇部分もランカスター&ライアンの2人が並ぶ絵ヂカラで退屈しません。暗殺会議メンバーの名前・役職・会議内序列など全くわからないし、実行部隊の背景も全く描かれないのが不気味さをアップさせてますよね。演習シーンだけ鮮烈に覚えていたけど、一番怖いのはラスト、ライアンが受けた電話の内容と、ナレーションです。得体の知れない〈マシーン〉の死の歯車が回り始めたら止まらない。「悪の法則」のような恐怖が支配する映画でした。葬送ラッパのようなテーマ曲も耳に残る、忘れ難い一本。
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